2026.7.17
登記簿に書かれた「建物の構造」
目次
不動産の売買や相続、あるいは火災保険の契約などの際に目にする「建物の登記事項証明書(登記簿)」。その中に必ず記載されている「建物の構造」という項目をご存知でしょうか。
「木造かわらぶき2階建」ならまだイメージがつきますが、「鉄筋コンクリート造陸屋根4階建」などと言われると、呪文のように感じてしまう方もいるかもしれません。
しかし、この表記には「ある決まったルール」があります。今回は、一見難しそうな建物の構造を、誰でも簡単に読み解ける3つのステップと、なぜこの仕組みが必要なのかを分かりやすく解説します!
ステップ1:建物の構造は「3つの要素」の組み合わせ
登記簿に書かれている建物の構造は、実は以下の3つの要素が順番に並んでいるだけです。
「 ①主要構造の種類 + ②屋根の種類 + ③階数 」
例えば、よくある「木造スレートぶき2階建」なら、
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① 主要構造 = 木造
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② 屋根の種類 = スレートぶき
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③ 階数 = 2階建 と分解できます。この3要素の基本パターンをそれぞれ見ていきましょう。
ステップ2:それぞれの要素に使われる「専門用語」を知る
① 主要構造の種類(何でできているか)
建物の骨組みに何が使われているかを示します。法律(不動産登記規則)でルールが決められており、主に以下のような種類があります。
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木造(もくぞう):日本の伝統的な住宅や一戸建てに最も多い、木材の骨組み。
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鉄骨造(てっこつぞう):鋼材(鉄骨)を使用したもの。アパートや店舗に多く見られます。
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鉄筋コンクリート造(RC造):鉄筋とコンクリートを組み合わせた、マンション等の頑丈な構造。
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鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造):鉄骨の周りにさらに鉄筋コンクリートを配置した、高層ビル向けの最強クラスの構造。
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※その他、古い建物や倉庫などでは「土蔵造」「石造」「れんが造」「コンクリートブロック造」といった表記もあります。
② 屋根の種類(どんな屋根か)
雨風を防ぐための、最も外側の素材や形状を記録しています。
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かわらぶき:粘土瓦やセメント瓦などで葺(ふ)いた屋根。
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スレートぶき:薄い板状の屋根材で葺いた屋根。現代の一戸建てに大変多いです。
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亜鉛メッキ鋼板ぶき:トタンやガルバリウム鋼板などの金属板で葺いた屋根。
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陸屋根(ろくやね・おかやね):傾斜がほとんどなく、上が平らになっている屋根。マンションやキューブ型の住宅に多いです。
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※古民家などの場合は「草ぶき」と記載されることもあります。
③ 階数(何階建てか)
建物が地上・地下に何層あるかを示します。
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平家建(ひらやだて):地上1階建てのことです。
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2階建・3階建…:実際の階数がそのまま記載されます。
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地下がある場合:「地下1階付3階建」のように表記されます。
ステップ3:実際の記載例でシミュレーション!
では、実際の登記簿でよく見かける組み合わせを、4つの具体例でご紹介します。
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「木造瓦葺2階建」 👉 最もスタンダードな、瓦(かわら)屋根の木造2階建て一戸建てです。
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「鉄骨造亜鉛メッキ鋼板ぶき平屋建」 👉 骨組みは鉄骨で、屋根にはガルバリウム鋼板などの金属板が使われている、1階建て(平屋)の建物です。工場の倉庫や、ロードサイドの店舗などによく見られる構造です。
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「RC造陸屋根3階建」 👉 骨組みは頑丈な鉄筋コンクリート(RC)で、屋根は平ら(陸屋根)、3階建てのマンションやデザイン住宅、オフィスビルなどです。
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「木・鉄骨造ストレートぶき2階建」 👉 「木」と「鉄骨」の2つの材料が組み合わされている、スレート屋根の2階建てです。1階が店舗(鉄骨)で2階が住居(木造)になっているような、異なる構造が混ざった建物(混構造)によく使われる表記です。
そもそも、なぜこんなに細かく表記する必要があるの?
「家なんて、住所が分かれば十分では?」と思うかもしれません。しかし、国が管理する登記簿にこれほど細かく構造を記録するのには、主に3つの重要な理由があります。
1. 日本に一つだけの建物を「特定」するため
無数にある建物の中から、「この登記簿が指しているのは、間違いなくこの建物だ」と見た目で判別できるようにするためです。所在(住所)だけでなく、見た目の特徴を記録することで、建物の取り違えを防ぎます。
2. 「税金(固定資産税)」を正しく計算するため
固定資産税を計算する際、建物の構造はとても重要です。木造に比べて、鉄筋コンクリート造は「頑丈で長持ち=資産価値が高い」と判断されるため、税金の評価額が高くなります。公平に税金を集めるための重要な基準なのです。
3. 不動産取引の「安全」を守るため
家を売買したり、銀行から住宅ローンを借りるために家を担保に入れたりする際、買い手や銀行は「この建物がどれくらいの耐久性や価値を持っているか」を知る必要があります。また、火災保険の保険料を算出する際にも、この構造の記載がベースになります。
まとめ:登記簿は「建物の履歴書」
登記事項証明書に書かれている「建物の構造」は、いわばその建物がどんな特徴を持っているかを表す履歴書のようなものです。
「①主要構造」「②屋根の種類」「③階数」という3つのステップさえ知っておけば、初めて見る登記簿でも一目でどんな建物かイメージできるようになります。ぜひご自身の自宅や、身の回りの建物の登記簿をチェックする機会があれば、この法則を思い出してみてくださいね!
2026/7/17
2026/07/17