大型の倉庫はなぜ市街化調整区域に建てられるのか?
最近、郊外や高速道路のインターチェンジ周辺で、大型の物流倉庫を見かけることが増えていませんか?
しかもその多くが「市街化調整区域」に建築されています。
「調整区域って、建物を建てちゃいけないんじゃないの?」
そう疑問に思う方も多いはずです。
今回は、なぜ大型倉庫が市街化調整区域に建てられるのかを分かりやすく解説します。
市街化調整区域とは?
市街化調整区域とは、都市計画法により
市街地の無秩序な拡大を抑制するための区域です。
原則として、
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住宅
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商業施設
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マンション
などの建築は制限されています。
しかし、「すべての建築が禁止」というわけではありません。
倉庫は調整区域でも建てられる理由
① 法律上、例外的に認められやすい
都市計画法第34条では、
市街化調整区域でも一定条件を満たせば建築可能とされています。
大型倉庫は、
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物流・流通に不可欠な施設
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人の居住を伴わない
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市街地を拡大させない用途
であるため、
調整区域の趣旨に反しにくい建築物として許可されやすいのです。
② 物流に適した立地が多い
市街化調整区域は、
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高速道路IC周辺
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幹線道路沿い
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港湾・工業地帯近く
など、物流動線の要所に位置することが多くあります。
大型トラックの出入りや24時間稼働も、市街地より制約が少なく、
倉庫立地として非常に合理的です。
③ 周辺環境への影響が小さい
倉庫は、
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常時人が生活する場所ではない
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騒音や振動の苦情が出にくい
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夜間稼働でも問題になりにくい
といった特徴があります。
そのため、住宅地が少ない調整区域との相性が良いのです。
④ 広くて安い土地を確保できる
大型倉庫には、
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広大な敷地
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荷捌き場
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大型車両用駐車スペース
が必要不可欠です。
市街地では用地確保が難しく、地価も高額になりますが、
調整区域では広くて安価な土地を確保しやすいという大きなメリットがあります。
⑤ 自治体にもメリットがある
自治体側から見ても、大型倉庫は
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雇用創出
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固定資産税などの税収確保
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学校や上下水道などのインフラ負担が少ない
という利点があり、
比較的受け入れやすい開発とされています。
まとめ
大型の倉庫が市街化調整区域に建てられている理由は、
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法律上、例外許可を受けやすい
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物流機能と立地条件が合っている
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周辺環境への影響が小さい
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広くて安い土地が必要
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自治体・事業者双方にメリットがある
という、制度・機能・経済性が一致しているからです。
市街化調整区域=何も建たない場所、ではなく、
「用途を選び、合理性があれば活用される区域」
という点を知っておくと、街の見え方も少し変わってくるかもしれません。
2026/02/04