2025.10.23
海上輸送コンテナの種類とサイズ一覧
目次
国際物流や国内輸送、倉庫保管など、さまざまな場面で活用される「コンテナ」。
一見するとどれも同じように見えますが、実は用途やサイズ、構造によって多種多様な種類が存在します。
本コラムでは、代表的なコンテナの種類と寸法、用途別の選び方について詳しく解説します。
■ 海上輸送コンテナとは?
海上輸送コンテナとは、貨物を安全かつ効率的に運ぶための「輸送用大型容器」です。
主に海上輸送・トラック輸送で使用され、国際規格(ISO規格)に基づいて製造されています。
同一規格であれば、どの国の船会社やトラックでも積み替えが容易なため、グローバルな物流の標準化を支える重要な存在です。
■主な種類
① ドライコンテナ(Dry Container)
最も一般的なタイプで、衣料品・家具・電子機器・日用品などあらゆる一般貨物に対応します。
外気や雨水を防ぐ密閉構造で、耐久性と汎用性に優れています。
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20フィートコンテナ(20ft)
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外寸:約6.06m × 2.44m × 2.59m
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内寸:約5.9m × 2.35m × 2.39m
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容積:約33㎥
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積載重量:約28トン前後
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40フィートコンテナ(40ft)
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外寸:約12.19m × 2.44m × 2.59m
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内寸:約12.03m × 2.35m × 2.39m
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容積:約67㎥
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積載重量:約28トン前後
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② ハイキューブコンテナ(High Cube Container)
ドライコンテナよりも高さが約30cm高いタイプで、体積の大きい貨物や軽量物を多く積む場合に最適です。
外寸高さは約2.9m。大型家具やマシンパーツなどに利用されます。
③ リーファーコンテナ(Reefer Container)
内部に冷凍・冷蔵機能を備えたコンテナで、生鮮食品・冷凍食品・医薬品など温度管理が必要な貨物を輸送します。
設定温度は-30℃~+30℃まで調整可能。輸送中も一定温度を維持します。
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一般的なサイズは20ft・40ftで、外寸はドライコンテナと同様
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容積は冷却装置の分、やや小さくなります(20ftで約28㎥)
④ オープントップコンテナ(Open Top Container)
上部が開放式になっており、クレーンで上から積み下ろしが可能なタイプ。
機械設備、原木、鉄鋼材など、大型で天井からの積載が必要な貨物に適しています。
防水のため、天井部はタープ(シート)で覆います。
⑤ フラットラックコンテナ(Flat Rack Container)
側面や天井がなく、重量物・大型機械・建設資材など規格外サイズの貨物に対応します。
輸送時はベルトなどで貨物を固定します。
折りたたみ式のタイプもあります。
⑥ タンクコンテナ(Tank Container)
液体やガスを輸送するための円筒形タンクをフレームで囲んだ構造です。
燃料、化学薬品などを安全に輸送できます。
内側はステンレス製で、断熱・加温装置付きのものもあります。
■ サイズと保管・再利用の広がり
近年では、輸送用途だけでなく倉庫や店舗・オフィスなどへの再利用も注目されています。
20ftコンテナ1基は約10畳の広さがあり、ガレージ・仮設事務所として活用可能。
断熱加工や塗装を施すことで、デザイン性と機能性を兼ね備えたコンテナハウスとしても人気を集めています。
■ まとめ
コンテナは、その種類やサイズを正しく理解することで、輸送効率・保管効率を大きく向上させることができます。
ドライコンテナやリーファーコンテナなど、用途に応じて最適なタイプを選定することがコスト削減の第一歩です。
また、再利用やリノベーションの可能性も広がっており、今後もコンテナの活用範囲はますます拡大していくでしょう。
2025/10/28